おはこんばんにちは。とまちです。
皆様GWはいかがお過ごしでしょうか?高速1000円、しっかり利用してくださいね!
さて、タイトルですが。
リクでせっかく芭かさをいただいたので、喜び勇んで夜中に殴り打ちこんだ文章を投下して更新停滞期を迎えようと思います。連載な気分で。続きは後日です。
思いのほか長かったのと、いろいろ伏線張ってたら終わりが見えてこないことから多分方向は大幅に変わることになりますね。更新無い間にも此処を訪れてくださるヒヨラーさんにせめてもの暇つぶしになればっ!!
■読む前の注意■
・完結していない(重要)
・かさねちゃんはまだ出てきてない←
・4000hit作品のネタバレである(最重要)
・続きからは確実にギャグです。notしりあす。come onしりある。
では、続きからどうぞー^^
がたんがたん
窓辺に肘をつき、外の風景を眺めていた。携帯のディスプレイを開くのも、持ってきた文庫本を読むことにも飽きてしまい、することがなくなってしまったためだ。思いのほか、目的の駅までは時間がかかるらしい。
春から、進学のために引っ越しをすることになっていた。実家通いを進める家族の声を、地図を見せることで説得し、一人暮らしをすることになったのだ。(片道5時間を通わせようとするのはまず無理があったし)
本日から入居ということで、荷物も全て送ってあったため、時間を潰せるようなものはあまり残ってはいなかった。暇を持て余し、とりあえず周囲に目を向けた。
乗客は自分の他には2、3人程度というところか。金髪が目立つ浅黒い肌の男や、黒髪に白い肌の男。ふと目に留まったのがその2人だった。可笑しなことに、全く別々の場所に座り、別の方向を見ているくせに、手にもつ本は自分が先ほどまで読んでいた文庫と同じなのだ。ふ、と思わず笑みをこぼしそうになったところで、2人が同時に顔を上げた。慌てて席に座る。こちらをニヤニヤしながら見ている男がいたら、特に金髪の男性になどには絡まれるかもしれない。波打つ鼓動を抑えつつ、窓辺を見ることに専念した。
ただただぼんやりするだけだが、自分が案外こうした時間が嫌いではないことを知っていた。
人間の足では到底追いつくことのできない時速300kmの列車からは、山、川、海、町、田、人、道、家、全てが流れるように現れては消えていく。
別に何か特別面白いものがあるわけではない。
乗り込んだ初めは青々した山や田、所々に散在する家といった長閑な景色だった。しかし、今では次第に工場が増え、道路が整備され、住宅地が密集している、いかにも「都会」な街並みが広がっている。
ただ、それだけだ。それだけ。だが。
あ、
自分の胸の内に湧き上がるものを感じる。もう少しで、あともう少し。
ぐわん、と意識だけが周りと離れるような感覚があった。
しかし、私はそんなことを気にしてはいなかった。
耳は、ここで感じるはずのない音を拾っていた。鳥の歌声を、葉の擦れる音を、川のせせらぎを。
鼻は、ここで感じるはずのない匂いを感じていた。甘い湧水を、森の清涼さを。
そして目は、窓の外を見ていた。一瞬の景色が切り取られた絵のように心の中に浮かんだ。
変わる景色の中。山の碧。空の青。水の、人の、道があって、荷車が行き交って、木々が風に揺れ――――
口が、自然と開く。総ての、今この瞬間に感じたこと全部、
「――」
「次は、○○駅―。次は○○駅―。お降りのかたは、お忘れ物が無いよう・・・・」
はっ、と意識を引き戻された。車内アナウンスが、停車駅を知らせている。
私は、先ほどと変わらずに窓辺を見ていた。今のは、なんだ。
昔からこうした衝動があった。ソレは突然に来る。自分ではどうすればいいか分からないまま、衝動は静かに凪いでいく。その繰り返しだった。
だが。
私は今、初めてその衝動を形にしようとしなかったか。あのアナウンスが流れる前、確かに唇が震え、音を出そうとしていた。何を?私は何を言うつもりだったのだろうか。それが分かれば、この奇妙な感覚の理由も分かるかもしれない。
ピリリリリリリリリ
不意に、笛が鳴った。ふと、窓の外に目をやる。目に飛び込んだ文字を見て、私は青ざめ、閉まるドアと挟まる衣類でちょっとした騒ぎを起こしてしまい、先ほどまで考えていたことはすべて頭の隅に追いやられてしまった。
